養子を迎えて法定相続人を増やす。
相続人が多くなれば、その分基礎控除額が増えて、相続税の課税対象財産が減少します。例えば、3人の法定相続人がいたとしたら、基礎控除額は
5,000万円+(1,000万円×3人)=8,000万円
になります。もし、法定相続人が5人いたとしたら、基礎控除額は
5,000万円+(1,000万円×5人)=1億円
になります。つまり、法定相続人が1人増えるごとに、課税財産が1,000万円ずつ減るのです。
すると、「そうか、相続税を節税するには相続人を増やせばいいのはわかった。でもどうやって増やせばいいんだろう?もうこの年齢では子どもを作ることもできないし・・・」と思う方が当然出てくるわけです。5,000万円+(1,000万円×3人)=8,000万円
になります。もし、法定相続人が5人いたとしたら、基礎控除額は
5,000万円+(1,000万円×5人)=1億円
になります。つまり、法定相続人が1人増えるごとに、課税財産が1,000万円ずつ減るのです。
そのような場合によく用いられるのが「養子縁組」です。養子縁組というのは、案外簡単で、市町村役場に行き、「養子縁組届」という書類を提出だけです(15歳以上の者を養子にする場合)。
この養子縁組ですが、基礎控除額を増やすだけではなく、他にもメリットがあります。それは生命保険金や死亡退職金の非課税枠を増やすことです。詳しくは別のページでご紹介しますが、法定相続人1人当たり500万円の金額が非課税財産として、みなし相続財産である生命保険金、死亡退職金からマイナスすることができるんです。
また、相続税は、相続財産を法定相続人が法定相続分によって受け継ぐと仮定して計算しますから、法定相続人数が増えれば、その分各相続人が受け継ぐ財産も少なくなります。相続税は累進課税率になっているため、相続人数の増加は適用税率の低下につながり、税額全体も小さくなります。
また、相続税は、相続財産を法定相続人が法定相続分によって受け継ぐと仮定して計算しますから、法定相続人数が増えれば、その分各相続人が受け継ぐ財産も少なくなります。相続税は累進課税率になっているため、相続人数の増加は適用税率の低下につながり、税額全体も小さくなります。
孫を自分の養子にすることも効果的です。孫が普通に相続財産を受け継ぐ場合、祖父→父→孫と2回分の相続税を支払わなければならないところ、孫を養子にして自分の子にすれば、1回分の相続税の支払いで終らせることもできるんです。ただし、孫を養子に迎える場合、その孫が祖父(養子縁組の養親)から相続を受ける際に相続税額の2割加算制度が適用されます。その辺のところは国税局も想定しているということですね。
以上のように、養子縁組をして法定相続人を増やすことに節税効果があることがわかりましたが、次々と養子縁組をして法定相続人を10人、20人と増やせば、相当相続税を減らすことができそうです。しかし、そうは問屋が卸さないのです。不自然な養子縁組をして法定相続人を増やすことを防止するため、相続税で認められる養子の人数には制限があります。
以上のように、養子縁組をして法定相続人を増やすことに節税効果があることがわかりましたが、次々と養子縁組をして法定相続人を10人、20人と増やせば、相当相続税を減らすことができそうです。しかし、そうは問屋が卸さないのです。不自然な養子縁組をして法定相続人を増やすことを防止するため、相続税で認められる養子の人数には制限があります。
実子がいるとき
法定相続人としての養子は1人まで
実子がいないとき
法定相続人としての養子は2人まで
なお、養子になったとしてもそれが普通養子であれば、実の親の相続権は残っています。養子は養親、実親両方の法定相続人になることができます。上の例でいきますと、孫は祖父と父の両方の法定相続人だということです。
義理の息子、娘にも財産をあげたい場合
「長年親子同然に暮らしてきた息子の嫁にも財産をあげたい」と思う方もいらっしゃると思います。そのような場合、遺言を作り、その中に遺贈する旨を記せばいいのですが、それでは相続税が高くなってしまいます。なぜなら、法定相続人以外の者に遺贈ずる場合、相続税の2割加算制度が適用されるからです。
そのようなときは、嫁を養子にすることを検討してみるのもよいでしょう。嫁と養子縁組をすることで、嫁も法定相続人になり、2割加算の対象からはずれるばかりでなく、基礎控除額が増えるというメリットがあります。
そのようなときは、嫁を養子にすることを検討してみるのもよいでしょう。嫁と養子縁組をすることで、嫁も法定相続人になり、2割加算の対象からはずれるばかりでなく、基礎控除額が増えるというメリットがあります。