相続対策-法人化

法人化のメリット


個人事業から法人化することにより様々なメリットがあり、相続税対策として検討してみる価値があります。

 相続対策の観点から、個人事業から法人にする最大の利点としては、以下の2点で
   す。
  ・事業承継をスムーズにできる
  ・税金面でお得(全ての方にあてはまるわけではありません)
 

事業承継をスムーズにできる



個人事業主であれば、それを事業用に使っていようが、私的に使っていようが、亡くなってしまったときには、全ての財産が相続財産となる上、相続税の課税対象となってしまいます。
全ての財産が相続財産となると、事業を承継して欲しい人が全て相続で取得するとも限りません。
事業に必要な財産がバラバラになってしまうと、事業継続が困難となり廃業ということにもなりかねません。
また、全ての財産が相続税の課税対象となるので、相続税額が多額になる可能性もあります。

 一方、法人化することにより、事業に必要な財産を法人に移すことにより、事業用財産の分散を防ぐことが出来ます。
また、その移転した財産は相続税の課税対象とならないので、相続税の軽減効果もあります。
(この場合、所有する自社株式評価分が相続税の課税対象となり、個別財産の評価方法と株式の評価方法の違いを利用して、評価額を下げ ることが出来るます。

注意点とすれば、その法人の株式を如何に事業承継者に取得させるかです。
これには、相続発生後では遅い場合が多く、生前対策が必須です。


税金面

ある一定以上の利益(800〜1000万円以上)をあげている個人事業主には、法人化することにより、節税効果が見込めます。
 具体的な実践方法とすれば、

  ・死亡退職金の非課税枠「500万円×法定相続人数」を利用
  ・家族などを役員とし、所得を分配する
  ・損金となる生命保険を活用する。 
  ・土地建物を所有していて、そこで個人事業を営んでいる場合
   →法人成りし、土地建物を法人に貸付=家屋3割、土地2割の相続税評価額減
 
 などなど様々な節税対策を講じることができます。



参考までに・・・一般に言われる法人のメリット


 ・信用アップ
 ・節税効果(利益800〜1000万以上の方に限るが)
 ・事業承継がスムーズにできる
 ・出資額内での責任となる(代表自身が連帯保証人又は所有物を担保
      としている場合を除く)

参考までに・・・一般に言われる法人のデメリット

 ・利益が上がらない場合、税負担が重い(赤字でも法人住民税課税)
 ・損金として認められる交際費に制限
 ・事務作業の増加
 ・決算公告義務
 ・安くない設立費用

当事務所は相続・遺言・遺産分割・家庭裁判所への申立書の作成等多数の家事事件を取り扱っておりますので、お気軽にご相談ください。