在外日本人の相続する場合について

在外日本人が相続する場合について

不動産の相続登記や銀行預金の名義変更などの相続手続きをする際には、遺言書がない場合、遺産分割協議を行います。
遺産分割協議で合意した事項は、遺産分割協議書として書面にして、相続人全員が実印で押印し、印鑑登録証明書を添付します。これを相続登記や銀行預金名義変更手続きの際に添付書面として提出する必要があります。
また、相続登記には、相続人の住所を証明する情報として住民票の写しも必要になります。
しかし、海外に居住して、印鑑登録証明書や住民票の写しを提出できない場合があります。
そのような場合、印鑑登録証明書に代わるサイン証明書、住民票の写しに代わる在留証明書の発給を受けて、相続手続きをすすめていきます。

在留証明書とは

在留証明書とは、外国にお住まいの日本人が当該国のどこに住所(生活の本拠)を有しているか、あるいは当該国内での転居歴(過去、どこに住んでいたか)を証明するものです。
住民票や戸籍の付票には、居住する外国の住所は記載されませんので、住所を証明する書類として、在留証明書が必要になります。

サイン証明書(署名証明書)とは

サイン証明書とは、日本に住民登録をしていない海外に在留している方に対し、日本の印鑑証明に代わるものとして日本での手続きのために発給されるもので、申請者の署名(及び拇印)が確かに領事の面前でなされたことを証明するものです。
日本での住民登録を抹消して外国にお住まいの方は、住民登録抹消と同時に印鑑登録も抹消されるので、海外在留日本人の印鑑登録証明書に代わる書面となります。


在外日本人が相続する場合に適用される法律について

海外に居住する在外日本人が相続人となり、被相続人の財産を承継する場合に適用される法律は、日本の民法になります 。
法例 第26条  相続は被相続人の本国法に依る。
法例:渉外的な私人間の法律関係について、適用すべき私法を指定する法律
上記のとおり、相続は被相続人の本国法を準拠法とすべきと定められています。
したがって、被相続人が日本人である場合には、相続人が海外に居住していても、すべて民法に定めるとおり相続をします


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