shihoshoshi-kanriseiri


遺言執行と遺言執行者

遺言執行とは、遺言の内容を実現するための手続のことをいいます。
遺言執行者とは、遺言書に書かれている内容を実現するために、相続財産の管理や遺言書の内容通りに遺産分割をするなど、遺言を執行する権利を持つ人のことです。
遺言執行者の資格と選び方
遺言執行者は誰でもよいというわけではなく、いくつかの条件があります。
遺言執行に向けての流れをご紹介します。

1. 遺言執行者の資格要件
未成年者破産者を除き、誰でも遺言執行者になれます。
特に資格などは必要ありませんが、専門的知識や経験が豊富な者を選任してもらったほうが安心です。
自分たちで行うと、かなりの時間を費やすことが多いので、やはり司法書士や専門家に依頼することをお勧めします。
2. 遺言執行者の選任
遺言をしようとする者は、遺言により遺言執行者を指定するか、第三者にその指定を委託します。
ただし、遺言事項でない事項について遺言執行者を指定したり、法律上の規定により未成年者破産者といった遺言執行者になれない人を指定しても無効となります。
3. 遺言執行者が必ず必要な場合
相続人の廃除及び廃除の取消しがある場合子の認知が必要な場合は、共に遺言執行者が必ず必要となります。
法定相続人だけでは、公正な遺言執行が期待できないとみなされ、中立な立場の遺言執行者が必要となります。
紛争可能性が予見される場合は、司法書士か弁護士の職業遺言執行者が良いでしょう。
4. 遺言執行者に対する報酬
遺言執行者への費用は、相続財産から控除できます



司法書士による財産管理業務
司法書士が、成年後見人に就任する例は一般的に知られつつあります。しかし、従来は、破産管財人や不在者管理人といった公の職務や、遺言執行者などに就けるかについて明確な規定がありませんでした。そこで、平成14年の司法書士法改正の際に、成年後見業務を行えることを明確にするとともに司法書士法29条、および司法書士法施行規則31条を整備し、従来から司法書士として行える業務であったことが確認しました。これにより、司法書士は、司法書士業務の附帯業務として、管財人、管理人になったり、、他人の事業の経営、他人の財産の管理若しくは処分を行う業務を行ったり、その業務を行う者を代理しする業務(財産管理業務)を行えることが明文化されました。

司法書士法
第二十九条  司法書士法人は、第三条第一項第一号から第五号までに規定する業務を行うほか、定款で定めるところにより、次に掲げる業務を行うことができる。 
一  法令等に基づきすべての司法書士が行うことができるものとして法務省令で定める業務の全部又は一部 
二  簡裁訴訟代理等関係業務 
2  簡裁訴訟代理等関係業務は、社員のうちに第三条第二項に規定する司法書士がある司法書士法人(司法書士会の会員であるものに限る。)に限り、行うことができる。
司法書士法施行規則
第31条  法第29条第1項第1号の法務省令で定める業務は、次の各号に掲げるものとする。
(1) 当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱により、管財人、管理人その他これらに 類する地位に就き、他人の事業の経営、他人の財産の管理若しくは処分を行う業務又は これらの業務を行う者を代理し、若しくは補助する業務
(2) 当事者その他関係人の依頼又は官公署の委嘱により、後見人、保佐人、補助人、監督 委員その他これらに類する地位に就き、他人の法律行為について、代理、同意若しくは 取消しを行う業務又はこれらの業務を行う者を監督する業務
(3) 司法書士又は 司法書士法人の業務に関連する講演会の開催、出版物の刊行その他の 教育及び普及の業務
(4)  法第3条第1項第1号から第5号まで及び前3号に掲げる業務に附帯し、又は密接 に関連する業務