自筆証書遺言

自筆証書遺言とは


自筆証書遺言とは文字どおり、自分の手で書いた遺言のことです。

特徴


全文を自分の手で書く
日付を手で記入する
自分の氏名を書き、押印する(認印でも可)

メリット


費用がかからない
手軽に作れる
内容を秘密にできる

デメリット


形式や内容に不備があれば無効になる可能性がある
偽造や変造がされやすい
発見されなかったり、隠されたりするおそれがある
家庭裁判所の検認手続きが必要で手間(1~2ヶ月)がかかる
書式や内容に不備があれば、遺言を実行できない
本人の自筆かどうかの争いが起こりやすい

こんな自筆証書遺言は無効

自筆証書遺言は、全文、日付、氏名を自書し、押印することで初めて有効なものと扱われます。したがって以下のような自筆証書遺言は無効とされています。

音声や映像によるもの
ボイスレコーダーやビデオなどを使った遺言は日本では認められていません。
日付が特定できないもの
「平成○年○月吉日」など明確な日付がわからないものは無効です。一方で、「満60歳の誕生日」とか「元日」などは有効とされています。
署名・押印のないもの
氏名は自筆で書く必要がありますので、スタンプを押すような「記名」は無効です。また押印のないものも無効です。ただし、印鑑は認印でもかまいませんができれば実印がのぞましいです。
代筆して書いてもらったもの
自筆証書遺言は必ず本人が書かなければなりませんので、他人に代筆してもらったり、パソコン、ワープロ等の機器を使って書かれたものは無効です。
共同遺言
夫婦が同じ紙の上に一緒に書いたものなど、複数の人間による共同遺言は認められていません。

なお、遺言の訂正方法にも決まりがありますので、もし間違った場合は面倒でも初めから書き直すことをおすすめします。また、筆記用具ですが、鉛筆は改ざん防止のためにも使用を控えて、必ず油性のボールペンや万年筆をお使いください。


自筆証書遺言を作る手順

順序実  施  項  目
法定相続人を調査する
財産の内容を把握し、目録を作る
誰にどの財産をあげるかを決める
遺言書をつくる
遺言書を封印する
遺言書を保管する
これ以降は遺言者の死亡後の手続きになります
遺言書を発見する
家庭裁判所で検認を受ける
遺言書の内容を確認する
遺言書の内容を実行する
もし途中で、後述する公正証書遺言に変更したくなった場合は、④の段階で最寄りの公証人役場に出向いてください。


当事務所は相続・遺言・遺産分割・家庭裁判所への申立書の作成等多数の家事事件を取り扱っておりますので、お気軽にご相談ください。